ダンサーが他よりも摂食障害になりやすい理由
摂食障害って聞いたことはありますか?
「え・・・」って身構えるかもしれない、このトピック。
だって摂食障害って色々な誤解や偏見をもたれているから。
普段、すごく避けられる話題。
だからこそ取り上げます。
この記事は摂食障害の元となるものを知ってもらうために書きました。
知れば予防が出来る。
知れば早い段階で対策がとれる。
知れば助けを求める勇気が出る。
ダンス特にバレエは、摂食障害の高リスクに分類されます。
例えば膝のケガをしやすいスポーツや、手をケガしやすい仕事があるのと同じで、摂食障害になりやすいスポーツや性格や環境が存在します。
摂食障害とは、食べ方に症状が現れる神経性の疾患そして代謝異常。
最大の要因は遺伝子。
そう、ダイエット願望ではなく、遺伝子。
そしてそこに性格や生活環境が混じってきて、発症する・しないに分かれる。
次に影響するのが、性格・性分。
摂食障害を誘発しやすい性格は:
完璧主義
自分よりも他人を優先する
気配り上手
心配性
怒られることが嫌い・怖い
優等生
周りを喜ばせることに安心感を感じる
常に上を目指してる
例えば完璧主義とか、上昇志向が強いのとか、周りに気を配ることとか、これ全部成功するのに優位な性格だよね。
そして、ダンサーはこれらのほとんどに当てはまる。
この種類の性格が良いとか悪いじゃなくて、こういう性格の人は内にため込みやすいから、だから摂食障害に影響を受けやすい。
外に出したり、周りに助けを求めることに慣れていないから、食事でコントロール力を得ようとする。
食事だけでも自分でコントロールできるものがあるっていう意識が、奇妙な安心感を生む。
そして最後に、環境。
ダンサーにとって影響が大きいのは家庭環境、お教室環境、そしてダンス社会。
家庭環境は、例えば家族が常にダイエットをしていたり、両親が自分のことを卑下したりしていると子供は幼い頃からそれを吸収するから、自分の体に対する尊敬の念が育ちにくい。
他にも、両親に自分の言いたいことを言えない環境だと、なんでも自分の中にため込んでしまう癖がつく。
お教室環境では、常にレオタードでレッスンしてるんだから自分の体に関心が行くのは当たり前。
それ自体がいけないんじゃくて、その環境で更にお教室が生徒の体重を計ることを強制してたり、指導者が生徒の身体を比較したりすることが合わさると、ボディイメージが崩れていく。
ダンス社会はとてつもなく漠然としたダンス一般のソサエティのことを指すんだけど、「ダンサーは痩せているものだ」っていうイメージが強いから、優等生ダンサーはそのイメージにぴったりと当てはまろうとして自分の体をしごいてく。
自分の体のリミットを無視して、「もっと・・・もっと・・・」ってダイエットの罠にはまっていく。
ダンサーじゃなくてもダイエットをして体重を落とすことは称賛される社会なんだよね(おかしいよね)。
それを上回らないとっていうプレッシャーが大きいダンサーは、そりゃダイエットに引きずり込まれるよ。
だってダイエットしたら周りが褒めるんだもん。
優等生ほど周りを喜ばせたいでしょ。
だから「ダイエットして体重が減れば自分はもっと認められる」っていう錯覚に陥る。
摂食障害は、身体を蝕ばみます。
心身共に衰弱する。
放っておいたら踊りはあきらめないといけないことになる。
食事っていうのは生命維持にかかせないものだから、そこに狂いが出てくると身体は消化器官の機能を低下させたり、脳の働きを鈍くしたり、自律神経に悪影響を与えたり、生理サイクルを邪魔したり、踊り以前に普段の生活すら難しくなる。
過食症でも、拒食症でも、過食嘔吐でも、摂食障害全てに共通しているのが、自分のやりたいことが出来ない状態になるっていうこと。
ダンサーは、特に将来のあるダンサーほど、摂食障害になりやすい。
それは遺伝、性格、環境っていう、色々な要因がちょうど全部合わさりやすいところで生活をしているから。
だからまずはその高リスクにいるっていうことを知って。
そして高リスクにいる自分を守る最初のステップは、ダイエットをしないこと。
自分の価値を周りと比べないこと。
自分の意見を言うこと。
休息をとることはセルフケアであって、悪いことじゃないっていうのを理解すること。
Fumi x