ストレス対処法:コーピングスキルの培い方
『過食が起こる理由』の記事でも触れたコーピングについてもうちょっと詳しく説明します。
これは食事だけでなくストレス全般に応用できるものだから必読ですよ。
コーピングとは?
コーピングとは、ストレスに対応・対処すること。
コーピングスキルを種類豊富にもっていると、ストレスと上手に付き合えるようになるんです。
戦うための武器をいっぱい装備しているようなものだから。
注意:ストレスに強い=適切に対処して自分への悪影響を最小限に抑えることができるということ。ストレスに強い=ストレスを感じないということではありません。
コーピングスキルの種類
コーピングには大きく分けて2種類あります。
エモーション(情動)焦点型コーピング
問題焦点型コーピング
問題解決型コーピング
ストレッサー(ストレスを引き起こす物事)に直接働きかけて問題を解決する方法。
問題解決のために計画をたてたり、積極的に行動に出ること。
また、周りの人や友達または専門家などにアドバイスを求めて、そのアドバイスや指示に従いながら問題を処理していくこと。
エモーション(情動)焦点型コーピング
ストレッサーと自分の状況を認知的に再評価し、ストレスによる精神的な苦痛を低減する方法。
その状況にプラスの面を見出したり、一歩退いてその出来事を見直したり、良い経験として活かすこと。
周りや友達または専門家に相談して、共感や理解を求めること。
たっぷり寝て休養をとったり、好きなことをして気分転換をすること。
エモーション焦点型には為になるものとそうでないものがあります。
時と場合によっては用いないほうが良い、または為にならないエモーション焦点型コーピングの例:
自分を責め続ける(自責)
周りが解決してくれることを願うだけ(希望的観測)
人にあたって気分を紛らわせる(回避)
ソーシャルサポートというコーピング
周囲の人に相談し、アドバイスを得ることでストレスに対処するのは人生においてとても大事なスキル。
相談をすることで問題を解決すること(問題解決型)もあれば、ストレスをコントロールすること(エモーション焦点型)もあります。
食事とコーピングがどうして関係あるの?
「コーピングが大事なのはわかった、でもどうして精神科医じゃない管理栄養士がこの話をするの?」
と思う人もいるでしょう。
食事の問題を抱えている人の多くは、コーピングスキルが未熟なんです。
ストレスが溜まったらドカ食いや過食。
ケーキバイキングでお腹が痛くなるまで食べたり、むしゃくしゃしているからスーパーで揚げ物を大量に買ってそれを一心不乱で平らげたり。
(過去のクライエントの方々の実例です)
もしくはストレスで押しつぶされそうになると食べなくなる。
これらはよくある事、と聞き逃してしまうようなことですが、実は「ストレスに対処しきれていないよ」というサインなんです。
今日から出来る、コーピング上達法
ストレスを引き起こすものや、それによって出てくる症状は千差万別です。
まずは自分特有のパターンを把握しましょう。
セルフモニタリング(自己観察)をすることで、自分がどんな時にストレスを感じやすいか、そしてどんなリアクションをとる傾向があるか、というのがわかります。
例えばノートや日記にストレスを感じた事、そしてその時とった行動や考えなどを記していきます。
それぞれの行動や考えを、役にたったものと役にたたなかったものに評価し、次に似たような状況におかれた時どのような行動をとりたいかをプランします。
練習すればするほど、ストレスにうまく対処するスキルが身に付きますよ。
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