摂食障害の基礎知識【2】リスク、症状、そして影響
摂食障害基礎知識【第2弾】は、ダンサーの摂食障害リスクを高める要因と、摂食障害の症状および身体に及ぼす影響について。
摂食障害は主に食べ方に症状が現れる神経性疾患。
摂食障害はね、「なりたくてなる」病気じゃないんです。
「痩せたいから」なるものでもないんです。
遺伝子、性分・性格(心理的・精神的状態ね)、そして環境。この3つが複雑に混ざり合って発症するものなんです。
(詳しい説明はこの記事参照)
それを理解した上で、ダンサー自身が自分の身を守るため、そして指導者・家族が大切な生徒・子供を守るためには、どんなことがリスクを上げてしまうのかを知る必要があるでしょ。
ダンサーの摂食障害リスクを上げる要因
ダイエット(特に慢性的なもの)
トラウマ的な経験や過去(性的虐待や、パワハラのような心理的なもの、そして学校やお稽古事でのいじめなど)
痩せればパフォーマンスが向上するという考えや教え
ボディイメージが低い
自己肯定感が低い
指導者や家族が常にダンサーの外見(痩せた・太った)についてコメントしている
心配性
完璧主義な性格
摂食障害の症状・徴候
以下は、摂食障害かもしれないサインです。
ダイエットを繰り返している
特定の食べ物を避けている(例:炭水化物はとらない)
自分または他人の食べ物や食事に対する執着心が強い
冷え性の発症または悪化
怪我がつづく(特に疲労骨折や痣など)
月経不順、または無月経
怒りっぽい、または気分の浮き沈みが激しい
体調不良の慢性化
怪我をしている、またはオフの日なのに、執拗にトレーニングやランニングなど「カロリーを消費する行動」をしている
嘔吐を繰り返している場合には、頬や耳の下辺りが腫れる
本人は摂食障害の自覚がないことも珍しくありません。
本人は「摂食障害じゃない」、「私は大丈夫」、「心配いらない」、というかもしれません。
でもね、
それをうのみにしてしまったせいで治療が遅れるというケースが後を絶ちません。
少しでも気になることがあったら、DDDのように摂食障害を専門とする管理栄養士や医師、または心理士やカウンセラーに話を聞いてもらいましょう。
摂食障害の影響
摂食障害は心身ともにボロボロになる病気です。
身体に対する影響は種類によって若干異なりますが、常に心と体両方が影響されます。
拒食症の短期・長期的な影響
骨粗鬆症
心不全
電解質異常(突然死につながります)
貧血
栄養失調
体力・筋肉量・思考力の著しい低下
脳の萎縮
肝機能障害
低血糖(突然死につながります)
うつ病
過食症の短期・長期的な影響
不整脈
心不全
嘔吐による胃酸で食道が炎症を起こしたり、歯が侵食される
電解質異常(突然死につながります)
膵炎(膵臓が炎症を起こすこと)
うつ病
過食性障害の短期・長期的な影響
心臓病
関節炎
消化異常
睡眠障害
高血圧や高コレステロール
2型糖尿病
うつ病
摂食障害はココロもカラダも蝕まれる怖い病気です。
でもね、それに目を背けず、正しい情報とスキルを得れば、予防できるんですよ。
完治だって可能なんですよ。
Fumi