摂食障害の基礎知識【3】保護要因と予防法
摂食障害基礎知識【第3弾】は、ダンサーを摂食障害から守る術について。
摂食障害のリスクを下げてくれる物事(保護要因)から、家やスタジオで実践できる予防法まで見ていきましょう。
ダンサーの摂食障害リスクを下げる保護要因
自己肯定感がある
ダンサーの中身が認められている(性格、レッスンに対する姿勢、周りとの交流の仕方、など)
痩せることを課せられていない
「痩せる=成功者」という間違った先入観がない
豊富なコーピングスキル(個人がストレスや失敗に対応する能力のこと)
摂食障害になりやすい遺伝的要因を持ち合わせていない(これは検査することも、自分自身で変えることも出来ない。摂食障害はなりたくてなるものじゃないっていうこと。)
こうやってリストアップすると、人の中身(精神状態やメンタルバランス)がどれだけ大事かが分かりますね。
これらのどれか1つでもあれば摂食障害にかかるリスクが下がるんです。
遺伝的要因以外のことは今からでも築くことが出来るのではないでしょうか?
摂食障害の予防法
指導者・治療家・家族が出来ること
「痩せる=成功者」という間違った教えをしない
ダンサーと定期的に1対1で話す機会をもうける(個人のゴール設定や、最近苦戦していたり、心配していることなどを聞く絶好の機会。必ずプライバシーが守れる環境で行いましょう)
ダンサーの中身(努力や性格、やる気など)を褒める・認める
ダンサーの体型や体重を否定・批判しない
思春期特有の体の変化にネガティブな反応をしない(ダンサー自身が既に不安になっているところに、信頼する指導者が加担したら余計悪くなるでしょ?体の変化は人間であれば普通のこと。反抗するよりも、それにどう対応していくかを教える方がよっぽど有意義です)
休養やオフの日の大切さを教える
スタジオでのダイエット話を禁止する
痩せたことを褒めない
自分自身のダイエット話や体型の不安をダンサーに押し付けない(これはね、知らないうちにやっていることの方が多い。正直私だって昔やってた覚えがある。自分で意識的にやめないと、大切なダンサーが犠牲になっちゃうよ)
家庭で出来ること
カロリーカットなどの商品を家におかない・買わない
食事時は会話を大切にする
ダイエット話をしない
思春期のダンサーがいる場合は、身体の変化が普通であることを教えて、気持ちよく過ごせるように工夫する
ダンス以外でも子供の居場所をつくる
ダンサー本人が出来ること
ダンス以外での自分のアイデンティティを見つける
自分の価値を体型や体重にあてはめない。あなたの価値はあなたがどういう人間(中身)であるか、なのですから。
ダイエットをしない
自分の身体を大切にする
周りと自分を比べない
自分の意見をもつ。これはね、人が傷つくようなことをポンポン言うっていうわけではなく、「分からない時は質問する」、「疑問に思うことがあれば相談する」、「周りと意見交換をする」、そして「自分が誰かに疎かに扱われたら、そこは妥協せずに「私は今の対応・言葉・コメントで傷ついた」って伝える」、っていう建設的なこと。
予防のために出来ることって沢山あるんです。
まずは1つ選んで、そこから始めてください。
そうすることで将来守れるダンサーがすごく増えるから。
Fumi x
DDDのオンラインワークショップで摂食障害について正しい知識とスキルを手に入れてくださいね。