ダンサーのビタミンD不足問題&解決法
こんにちは。
ダンサー専門管理栄養士のフミです。
DDDのダンサー専用食生活セミナーを受講されている方は、ダンサーにビタミンD不足が多いということも知っていますよね。
(最近の研究では、ビタミンD値が正常値なのは思春期ダンサーの1割強のみという結果も出ています)
ここで少しおさらいです。
ビタミンDの主な働き
骨を丈夫にする
筋肉の収縮を正常に行う
神経伝達を正常に行う
ホルモンバランスを整える(特にインスリンや甲状腺)
骨と筋肉の健康=ダンス・キャリアの健康
と言えるほど、ダンサーにとって骨と筋肉を丈夫に保つことはケガを防ぐことにつながり、それはキャリアを最大限伸ばすことにもつながります。
だから踊りやパフォーマンスを上げるために必要な機能の縁の下の力持ち的存在のビタミンDは、ダンサーにとってとても大事な存在。
ダンサーに十分な食事が必要不可欠なのはもう周知の事実。
この基礎をしっかりしていたとしても、ビタミンD値は定期的にチェックすることをお勧めします。
なぜなら、私たちがビタミンDを得る方法は2つしかないから。
①(メイン)
日光(UVB)が肌に吸収される
➡体内でビタミンD3が生合成される
➡これが主に肝臓を経て活性化された(=活用できる)ビタミンDに変わる
②(サブ)
ビタミンD2(植物にのみ含まれる成分)を摂取することで、体内で活性化されたビタミンDに変わる
読んでわかる通り、私たちが活用できるビタミンDの大半は日光にあたることで生合成されます。
でもダンサーは普段室内にいることが多いし、外に出ても日焼け対策をしっかりしている人が多い。
だからビタミンDの生合成がされにくい。
これはダンサーだけでなく、オフィスワーカーにも言えること。
しかもオーストラリアなんて皮膚がん率ナンバー1の国だから、日本以上に日焼けを推進することは出来ません。
日光以外にも、皮膚の色や地域によってビタミンDの生合成率は違ってきます。
食べ物に含まれる量はヘルプにはなるけど足りることはない。
サケ、卵(卵黄)、きのこ類くらいしかビタミンDを含んでいないしね。
しかもね、ビタミンDを体内でしっかりと作るためにはコレステロールが必要不可欠なんですよ。
そう、悪者扱いされるコレステロール。
低脂肪牛乳とか、無脂肪ヨーグルトとか、脂肪分ゼロ商品とか、ノンオイルドレッシングとか、そういうものばかり食べているといくら日光に当たったってビタミンDは足りないままになります。
ビタミンDが足りなくなると、上に書いた機能が正常に行われなくなるから、骨がもろくなったり、筋肉の働きが悪くなったり、ホルモンバランスが崩れたり・・・ケガをしやすい状態になります。
ビタミンDの値が正常かどうかは、血液検査で分かります。
ビタミンD欠乏:20.0ng/mL未満
ビタミンD不足:20.0-29.9ng/mL
うちのクリニックでは、年齢・レベル関係なく、定期的なチェックアップを薦めています。
特に疲労骨折が続く、摂食障害の症状がある、生理不順(または無月経)などの場合はルーティーンで必ず行うことになっています。
足りないことがわかればサプリメントでまず補います。
どれだけ摂るかは値次第。
そしてそれで補っている間に、足りなくなった根本的な原因を解決していきます。
ダンサーの場合、そのほとんどが基礎的な食事不足からきていることが多い。
夜○時以降は食べないとか、体重が増えるのが怖いという思いから食べるのを制限していたり・・・。
自分の体を壊してしまっては踊ることすらできなくなる。
踊りの為にダイエットしたのに踊れない体になる・・・本末転倒とはこのこと。
人間の体は食べ物を与えないと動けないんですよ。
ビタミンD不足の解決法(&予防法):
十分な食事をとること
今までビタミンD値をはかったことが無い場合は、血液検査でチェックする
ビタミンD不足の場合はまず正常値まで戻るまでサプリメントでトップアップし、その間に根本的な原因を解決する
根本的な原因を解決してもなおビタミンDが低めの場合は、継続してビタミンDサプリメントが必要な場合もあります(量はトップアップの時よりも少ないことが多い。適切な量は管理栄養士またはドクターと要相談)
Fumi x
Wyon MA et al. The effect of vitamin D supplementation in elite adolescnet dancers on muscle function and injury incidence: A randomised double-blind study. Int J Sports Physiol Perform. 2018;14(1):55-59
The importance of vitamin D for dancers. IADMS Dance Educators' Committee. IADMS 2017.