ダンサーの理想体形と白人至上主義
バレエダンサーというと
白人
女性
華奢、細い
手足が長い
顔が小さい
というイメージが一般的でしょう。
女性ダンサーに理想体形を聞いても同じように細い、胸が小さい、お尻が小さい、手足が長い、顔が小さい、首が長い、甲が高い、というのが多く挙がります。
どうして?
これらのダンサーの「理想体形」というのはどこから来たのでしょう?
どうして太っていたり、胸やお尻が大きかったりするのが嫌われるのでしょう?
バランシンの影響については昔書いたので(記事はこちら)、この記事ではそれよりも大きな社会問題の影響についてお話ししましょう。
黒人奴隷制度の始まりと共に、白人社会では痩せが崇拝されるようになりました。
黒人の体型はふくよかなものが多く、細い体型になることで「私は黒人ではない=私の方が身分が高い」と示すため。
バレエはフランスで始まったもので、白人至上主義が当たり前の時代。
白人だけのものにしておくためには、黒人の体形に似通ることは良くないこととされていたのです。
そして黒人の体形は白人よりもふくよかだったため、大きな胸やヒップが嫌われたのです。
昔のアートに描かれている女性はふくよかな身体の人が多い。
今だと「太い」とコメントされるであろう体形。
でもね、黒人奴隷制度と共に、アートにも変化が見られるんですよ。
ふくよかな黒人奴隷が出てくるのと同時に、絵に残される「美しい」白人女性は細くなっていくのです。
ちなみに黒人奴隷が幼い少女などで細い時代には、「美しい」とされる白人女性はヒップが大きくふくよかな体形が多くみられます。
さて、これを読んでどんな気持ちになりましたか?
あまり気持ちの良い話じゃないな、と感じませんか?
痩せを崇拝するのはダンサーの健康に害があります。
それ以外にも、痩せを崇拝するのは白人至上主義を崇拝するのと同じで、私はそれをしたくない。
サイエンス的にも、倫理的にも、痩せを崇拝して太い(または太る)ことをけなすのはおかしい。
参照:Fearing the black body (Sabrina Strings)