怪我やリハビリ中の食事との向き合い方
ケガをした時は良くも悪くもスタジオ外での時間が増えるから、落ち込んで全然食べなくなっちゃう子もいればストレスややるせない感でヤケ食いを経験する子もいる。
他の子みたいにレッスンを受けられない、自分だけ遅れちゃう、っていう焦りが出て物事をしっかり見据えることが難しい状況になるよね。
こういう時、その状況を最大限に自分の成長の糧にするために出来る3つのこと。
1.食べなれているごはんを継続すること
ごはん=米、というわけではなくて、ごはん=食事。
ケガをしていても基本となる食事から離れる必要はないし、むしろいつも以上に基礎が大事になる。
基礎をしっかりさせていれば、3つ目のステップがすごく簡単になるからね。
2.自分が食べ物・食事をどう捉えているか、興味をもつこと
体が思うように動かないと焦るし、じれったいし、色々嫌に感じる。
自分が何にも出来ない人間みたいに感じる、っていう子も多い。
ストレスでヤケ食いをしたり、逆に気分がふさいじゃって食事が喉を通らなくなったり・・・
「何で私ってこんなダメなんだろう」って思うこともあるかもしれない。
心にも体にもストレスがたまる状態。
ストレスがたまりすぎると消化器官の動きが鈍くなる。
そうすると栄養吸収にも影響が出てくる。
消化活動が鈍るから「お腹の調子が悪い」っていう漠然とした不快感が募ることも多くて、そのせいで食べるのが億劫になる、もしくは特定のものしか受けつけなくなる・・・だから栄養状態が偏る、っていうのもよくあるパターン。
ネガティブ思考のスパイラルに陥る前に、抜け出そう。
そのためにはまず、今の状況を批判的に見るのではなくて、興味や探求心をもってみること。
自分が置かれている状況を批判的に見るんじゃなくて、シチュエーションを認めた上で「じゃあ、私はどうしたいのかな?」って考える。マインドフルネスというもの。
食事でも使えるんです、これ。
例えばケガのイライラでやけ食いをしてしまった時。
「あーやっちゃった、本当にダメだ私!」ってなるかもしれない。でもこれだと自分を批判して終わり。
代わりに、こう持っていく。
「あー、今のはどっちかというと、やけ食いに近いかな。
・・・うん、やけ食いしたんだな。
・・・やけ食いしたから、焦ってるんだ。
・・・どうしてだろう?
・・・あ、やけ食いしたところで何も解決しなかったから焦ってるのか。
・・・あれ、そしたら、どうしたらよかったんだろう?
・・・そっか、他にこのイライラを鎮める方法がわからなかったんだ。
・・・じゃあ、次に同じような状況になった時は、まず何をしてみよう?
・・・あ、友達に電話してみようかな?話聞いてくれるかもしれない。
・・・外の空気吸いにいこうかな?
・・・カラオケでいっぱい叫んでみようかな?
・・・本当に食べたいものを食べたらもっと満足するかな?」
という風に、自分に問いかけていくことで、どこまでが必要な食事で、どこまでがココロの栄養となる食事で、どこからが現状から逃げ出すためにやっているやけ食いなのか、を探ることが出来る。
逆に、何も喉を通らなくなるっていう場合は、
「今のこのタフなシチュエーションでも、食事をとってあげることで私の体は快復してくれるかな。・・・そしたら、食べてあげたいな。」
という風に、自分のカラダにやさしくしてあげられる。
3.ケガのリハビリのに沿った栄養学を取り入れる
これは、1と2がしっかりと築けた上でするからこそ役に立つ栄養学。
ここからがやっと管理栄養士の本領発揮というか、スポーツ栄養学知識を発揮できるところ。
栄養学はサイエンス。でも食事(食べること)は行動・精神・心理学。
サイエンスだけ知っていても食事や食行動が勝手に改善してくれるわけではないということ。
だから3のステップの前に1と2をしっかりさせないといけない。
ケガの快復に役立つ栄養学:
1.カロリー量を減らさない
2.タンパク質:朝昼は通常通り20-30g、夕飯には少し多めの40gを摂る。これは、寝ている間の細胞修復をサポートするため。
タンパク質40gは食品で言うと肉(ステーキ)150g、ヨーグルト400g、卵6個、豆腐1丁くらい。20-30gの例はこちらの記事を参照。
炭水化物(主食)を通常通り摂ること。タンパク質を増やさないといけないからと言ってご飯や麺類を減らすと、タンパク質が効率よく使われなくなるから。
3.炎症がある場合はオメガ3のサプリメントを摂る
軟骨や腱のケガと骨折では多めに摂取したい栄養素が少しずつ違ってくるけれども、上の3つはどんなケガにも当てはまること。
どんなことにも自分が成長するチャンスっていうのがあって、ケガをしている時こそ食事と向き合うことで、回復してからの体の持ち具合は全然変わる。
少し多めにレッスン外の時間がとれるこの状況を最大限活用して、自分の食事との向き合い方や、食事・栄養に関する知識や、料理の腕を上げることできるから。
ケガの経験から成長する・しないは、自分次第。
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