踊るか痩せる、目的はどっち?

踊りで人を魅了するのがダンサーだよね?

痩せることにフォーカスを当てていたらダンサーとして成長できないっていうのは、ローザンヌのポリシーにも書いてある。

だから、もっと踊りたい、ダンサーとして色々なことを吸収したい、って思うなら「ダイエットをしない」っていう決断をすることが必要になります。

今日はその後のステップ、目標設定についてお話ししましょう。

タイトルの質問の答えから聞いてみたいな。

「踊る」ことと「痩せる」こと、ダンサーとしてのコアは何?

踊ることだよね。

ダンサーが痩せたいって思う時、それは「もっと踊りたいから」っていう思いが強い時。

「踊りやすくなる」とか「役がもらえる」とか「ポワントで立ちやすくなる」 とか、そういう(考え自体に誤解はあるけど)思いがあると思うんだ。

ただね、

ダイエットすればするほど、ケガが多くなる

→ 踊りにつながらないよね

ダイエットすればするほど、骨がもろくなっていく

→ 疲労骨折ほどつらいケガってないよね

ダイエットすればするほど、食べ物に対する執着が強くなる

→ その分踊りや芸術性に費やすスペースが少なくなっていっちゃうね

こういう事実を知れば知るほど、ダンサーには食事が必要なんだっていうことが分かってくる。

これらは知っておかないといけないこと。

だって食事が絶対的に必要なんだってわかったらさ、安心しない?

「あ、食べていいんだ」

ってホッとするでしょ。

この安堵感ってすごく大事なの。

例えばの話:レッスンが終わって家に帰ってきたらもう9時前。お腹が空いてへとへと。

どうする?

「痩せること」を目標にしていると、ご飯食べるの我慢しちゃうよね。

食べたところで、居心地の悪い罪悪感みたいなのとか、「太っちゃうかな」っていう不安がつきまとう。「寝てる間に脂肪がついたらどうしよう・・・」って考えちゃうダンサーは多い。

こういうちょっとした不安とか我慢がつのっていくと、身体にとってはすごいストレスだから、どこかで「ドカ食い」が起こる、または拒食に発展する。

「踊ること」を目標にしていると、見方を変えられるの。

食事をとることで「今、疲れた身体が回復できるようにしっかり栄養をとることが出来た。これで寝てる間に身体はリカバリー出来るから、明日も思いっきり踊れる!」

って思うことが自然になってくる。

不安や我慢が減っていくから、ストレスが軽くなってくるの。

ダンサーには十分に食事をとることが絶対的に必要だっていうことは明らかなの。

何よりもケガの予防につながるし、踊りをこなせる体になるから。

でもそういう情報がまだなかった時代からの誤解が今でも尾を引いていて、食事、特に十分に食べるっていうことに対しては、罪悪感がもたれちゃってる。

ダンサーにとって必要なのは、痩せることじゃなくて踊れること

そして、踊るだけじゃなくて、人を魅了すること。

すっごくパワーのいることなんです。

身体的なパワーと、精神的なパワー。

「痩せること」を目標にしていたら絶対に食事が足りなくなる。

パワーがなくなる。

「踊ること」を目標にしていたら、食事に余裕が出てくる。

十分に食べることに安心感が生まれる。

カラダにもココロにも余裕が出来るから、パワーが生まれる。

人を魅了する力がつく。

難しい考えじゃないんだけど、

「踊りたい」を「痩せたい」と取り違えちゃうとすごくややこしくなるよ。

だから目標設定が大事なの。

そしてこの目標設定、最初のうちは毎日軌道修正が必要です。

なんでかっていうと日常生活でも色々なコトが、「痩せたい」っていうコトに取り違えられるから。

さーて、「痩せたい」に大きいバッテンつけて、「踊りたい」って書き直して、毎日見えるところに貼っとく?

Fumi x

私みたいにペーパー読むの好き!って言う人は、参考までに是非どうぞ:

Ekegren CL. Quested R. Brodrick A. Injuries in pre-professional ballet dancers: Incidence, characteristics and consequences. J Sci Med Sport. 2014. May;17(3):271-5.

Frusztajer N. Nutrition and incidence of stress fractures in ballet dancers. Am J Clin Nutr. 1990. 51:779-83.

Noh YE, Morris T, Andersen MB. Psychological intervention programs for reduction of injury in ballet dancers. Res Sports Med. 2007;15(1):13-32

Russell JA. Preventing dance injuries: current perspectives. J Sports Med. 2013;4:199-210.

Steinberg N, Siev-Ner I, Peleg S, Dar G, Masharawi Y, Zee A and Hershkovitz I. Extrinsic and intrinsic risk factors associated with injuries in young dancers aged 8-16 years. J Sports Sci. 2012;30(5):485-95.

Thomas JJ. Keel PK. Heatherton TF. Disordered eating and injuries among adolescent ballet dancers. Eat Weight Disord. 2011. Sep, 16(3):e216-22.

Wyon MA. Hutchings KM. Nevill AM. Body mass index, nutritional knowledge, and eating behaviors in elite student and professional ballet dancers. Clin J Sport Med. 2014. Sep;24(5):390-6

Fumi Somehara

Fumi is the Founder and Principal Dietitian of DDD Centre for Recovery. Her expertise is in Dance Nutrition and Eating Disorders Treatment. She is passionate about supporting individuals to nurture respectful and compassionate relationships with their food and body.

https://dddcfr.com.au/fumi-somehara-bio
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