ローザンヌのヘルスポリシーを見てみよう
ローザンヌ、始まりましたね。
今年はどんな子が出てくるんだろう、と毎年とても楽しみにしているこの時期。
この大きな舞台にたつ子たちの表情や姿勢ってすごく綺麗だと思いませんか?
今日はそんなローザンヌの裏(ポリシー)側のお話し。
ローザンヌの出場者には健康チェックがあって、危ないかな、と思われる子はドクターチェックに回されます。
なぜなら健康を損なっている子を舞台にたたせるわけにはいかないから。
それらのことを説明したヘルスポリシーが出場者には配られるの。
そこにはこう書かれています。
Good health is essential to us all, but it is especially important at the high levels of performance which classical ballet demands
要は健康体でいることがまず何よりも大切だっていうこと。
その後はこう続きます。
Compromising health in pursuit of thinness will not only reduce the dancer’s ability to sustain the rigours of a professional career, it can also have severe and extreme consequences
痩せることに執着して健康を損なってしまっては、その後プロとして必要なトレーニングについていくのはおろか、その他にもさまざまな悪影響を及ぼしますよ、と。
ローザンヌが最初に開かれたのは1973年。
ヘルスポリシーが確立されたのは2000年。
30年近くたってからこのドキュメントが作成されたのは、ダンサーが健康体を維持することがキャリアを積んでいく上で絶対的に必要だって理解がやっと浸透しはじめたから。
ダンサーを育てる・雇う側は、踊れるカラダを作れるように指導していく責任がある。
ダンサーは踊れるカラダを自分でマネージしていく責任がある。
踊れなくなったからサヨナラなんてさせない。
ダンサーは消耗品じゃないから。
舞台に立った時、お客さんを魅了するのはあなたが痩せているからじゃない。
あなたが全身全霊を使って表現したいものがあるから、そのパワーに魅了されるんです。
だからね、「舞台のために痩せないと」とか「コンクール前に体重落とさないと」
って思うことがあったら、ちょっと待って。
このポリシーに書かれていることを思い出して。
「今の私は観ている人を魅了するだけのパワーを出すことが出来るかな?」
Fumi x