骨と生理の関係
絶対知っておきたい、生理の話。
あんまり表立って話されることないお話し。
タブーな話題みたいに扱われるから、心配事があっても誰に相談していいか分からない。
だから今日はダンサーに一番多い、生理の問題について。
自分の生理について知れば知るほど、体調管理が上手になります。
無月経・生理不順
正確には、視床下部性無月経(シショウカブセイ ムゲッケイ)。
視床下部っていうのは脳にある小さな腺で、ホルモンバランスを調節する役割をもってるの。
これが、生理に必要なホルモンを分泌しなくなる(もしくは少ししか分泌しなくなる)ことで生理が止まることを、視床下部性無月経っていいます。
これが起こる理由は色々なんだけど、中でもダンサーで一番多いのが:
そう、ほとんどがダイエットによるもの。
生理は体がバレエのトレーニングに耐えられるようにしてくれる、すごく大事なプロセス
生理が止まると骨が弱くなるのは、エストロゲンの量が減るから。エストロゲンって女性ホルモンなんだけど、役割としては:
骨の生成を助ける
骨からカルシウムが逃げていくのを防ぐ
ビタミンDの生成を助ける(そしてビタミンDは骨を生成するのに必須)
生理が止まる
=エストロゲンの量が減る
=骨を作るプロセスがなくなる
=骨がどんどんもろくなる
というわけ。
もしも生理が止まったら、どうしたらいいの?
まずは、信頼出来るお医者さんに行って。
生理が止まるまでの経緯を出来るだけ細かく話して(最初から全部話すのって勇気いるよね)、必要な検査をして、そこから治療のオプションが出るから。
生理が止まったのがエネルギー不足やダイエットの場合、 ごはんを食べよう。
食事をとることは、踊るエネルギーをくれる他にもココロとカラダの両方を満たす、大事な役割があるの。
前回の記事でカルシウムと骨について書いたんだけど、たとえカルシウムを十分にとっていても生理が止まっていたら骨を丈夫にするのは難しい。だから、まずは自分の体の状態と、食事の全体図を見ることから始めて。
お教室で指導者が出来る、生理の問題を少なくする方法
それは、生理が始まった子がいたらそれを一緒に喜ぶこと。
残念なことに一番よく耳にするのが「生理はじまっちゃったのね」っていうフレーズ。
これね、罪悪感しか生まないの。
これから体がどんどん変わる時期。 その子達に必要なのは生理に対する罪悪感じゃなくて、一緒に体の変化を見守ってくれる、信頼できる大人なんです。
Fumi x
注意:生理が止まる理由は他にもいろいろあるから、まずはドクターのところできちんと検査してもらってね。
もっと知りたい人は下記のペーパーがお勧め:
Doyle-Lucas AF, Akers JD and Davy BM. Energetic efficiency, menstrual irregularity, and bone mineral density in elite professional female ballet dancers. J Dance Med Sci. 2010;14(4):146-54
Gordon CM and Nelson LM. Amonorrhea and bone health in adolescents and young women. Curr Opin Obstet Gynecol. 2003 Oct;15(5): 377-84.
Hillard PJA. Menstruation in Adolescents: What’s Normal? Medscape J Med. 2008; 10(12): 295
Kaufman BA, Warren MP, Dominguez JE, Wang J, Heymsfield SB and Pierson RN. Bone density and amenorrhea in ballet dancers are related to a decreased resting metabolic rate and lower leptin levels. J Clin Endrinol Metab. 2002 Jun; 87(6): 2777-83
Miller KK and Klibanski A. Amenorrheic Bone Loss. J Clin Endo & Met. 1999. 84(6): 1775-83
Warren MP, Brooks-Gunn J, Fox RP, Holderness CC, Hyle EP and Hamilton WG. Osteopenia in Exercise-Associated Amenorrhea Using Ballet Dancers as a Model: A Longitudinal Study. The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism. 2002:87(7);3162-316