食べ過ぎは食べなさすぎから来る

そもそも「食べなさすぎ」という日本語があるのかは分からないんだけど、要は食べ足りないとその反動で食べ過ぎが起こるということ。

例えば

• 日中は「コントロール」できるのに、夜になると食欲が抑えきれなくて食べすぎちゃう

• 食べ終わって少ししてからお腹がパンパンになってるのに気付くんだけど、食べてる時は分からないからいつも同じことの繰り返し

• どうしてもお菓子が欲しくなって、食べるまで頭からはなれない

• お腹は空いてないはずなのに、○○を食べないと落ち着かない

これ全部、普段食べ足りていないから起きる現象です。

（注：「問題」ではなくて「現象」。食べすぎるのを問題視するのって、呼吸をしすぎるのが問題だって言っているのと同じようなものです。摂食障害の過食等になると神経・脳の異常が起こってくるから、これらは別です。）

人間の体はストレス状態にある時、消化器官の機能と代謝量を調節して、使えるエネルギーを減らし、脂肪を貯めこみやすくします。

体にとって一番怖いのは、エネルギーが入ってこないこと、もしくはあるエネルギー以上のものを使ってしまうこと。

そう、エネルギーを摂りすぎることではないんです。

人間餓死することはあっても食べすぎて死ぬことはないからね。

だから人間が食べるのを制限すると体はまず、食欲増加ホルモン（グレリン）を多めに分泌して、食欲抑制ホルモン（レプチン）の分泌を少なくします。

「食べろー食べろー。入ってくるエネルギーを減らすなー」

というメッセージが強くなります。

特にこの制限期間が長く続いたり（常になんらかのダイエットをしている人や、慢性的なエネルギー不足状態にいる人）、定期的にすることがあると（ダイエットして、止めて、またダイエットして・・・というサイクル）、体はもっと食欲増加ホルモンを出すし、抑制ホルモンを減らそうとします。

（注：拒食型の摂食障害の場合はこのホルモン調節がまた変わってくるので上記とはまた違った状況になってきます）

だから、チャンスや隙が出来ると「食べすぎる」ことが起きる。

食欲を抑えるホルモンの分泌が減ってるわけだから、「お腹いっぱい」というメッセージがくるのが遅くなります。

「コントロールがきかない」までいかなくても、「どうしてもお菓子が欲しくなる」とかいうのも、体が何とかエネルギーを摂ってもらうために甘いモノを欲するように脳からメッセージを出しているのです。

どうしたら治る？

毎日、きちんと食べること。

朝昼晩って、特にレッスンがあると毎食の間の時間が空きすぎるから、午前と午後のおやつの時間も作る。

朝ごはんを７-８時くらいに食べて、午前のおやつを１０-１１時頃食べて、お昼を１２-１時頃食べて、午後のおやつを３-４時に食べて、夕飯を７-８時、みたいな感じで、リズム良く食べる。

この時間は自分のスケジュールにあわせて。

もしも「食べるのを忘れる」っていうのが自分で分かっているなら、工夫して何か口にいれられるようにしましょう。携帯のリマインダー機能を使うのもスマート。

これを毎日続けていくことで、体は「定期的なエネルギー補給があるんだ」と学びます。

だから、必要以上に食欲増進ホルモンを出さなくなるし、抑制するホルモンもきちんと出してくれるようになる。

結果、「コントロールがきかない」という食べ方がなくなる。

そうすると、本当にもっとエネルギーが必要な時（シーズン中とか、レッスンが増える時）も、逆に必要じゃない時（お休み中とか、レッスンが少ない時）も、びっくりするくらい体が勝手に空腹・満腹感をかしこく調節してくれるから。

体のもつメカニズムに逆らってダイエットすると良いことないからね。

Fumi x