言って良いこと悪いこと
「痩せたね」っていう一言が相手のボディイメージを下げたり、
「よく食べるね」っていうコメントが摂食障害のきっかけになったり、
意図していなくてもネガティブな効果をもたらしてしまうことは沢山あります。
それは必ずしも言った本人が悪いということではありません。
私達を取り囲む社会において優越をつけられていることや求められていること、言った人のトーン(言い方)、受け取り側のトラウマなど、いろんなことがごちゃごちゃに混ざりあって、残念な効果につながる、ということがほとんど。
よく
「ダンサーの自己肯定感を上げる言葉掛けってどんなのがありますか?」や、
「摂食障害治療中の生徒にはどんな声掛けがいいんでしょう?」と聞かれることが多いのですが、
もちろん何を言うかは大事。でもね、
どんなことを言わないか、の方が大事なこともある。
言うことではなく、言わないことで、その人の本質が見えてくることがある。
体型体重や食事に優越をつけるようなことを言う人は、自分自身の偏見に気づいていないか、もしくは偏見を正そうとしていない。
だからその言葉やメッセージを受け取る側の人間を傷つけてしまいます。
摂食障害や自己否定を予防・ 改善するために、どんなことを言ったらいけないのか、を知っておくと役に立ちます。
身体や見た目に関して言わない方が良いこと
「痩せたね」
➡前回の記事(痩せたね、は褒め言葉じゃない)を参照。
「太っていても可愛いよ」
➡「可愛いよ」だけで十分。「太っていても」をつけると、本来太っていることはマイナス、というい意味になります。その他にも「太ってるけど踊れるよね」や「太ってるけどスポーツ万能だね」というのも、褒めているようにみえて実際は体型を卑下していることになります。
「脚細いね」
➡「痩せたね」と似たような感じで、こういう褒め方をされると「脚が太くなる=悪い」という考えに結び付きます。他の部位についても言えることですが、見た目よりも機能に目を向けましょう。「脚早いね」とか「高く飛べてすごいね」とか。
相手は勿論のこと、自分の体に対する言葉や態度はどうでしょう?いくら周りにボディ・ポジティブなメッセージを発信したところで、自分自身を「私は~~だから」などと卑下していたら、せっかく発信しているポジティブなメッセージも受け取ってもらえません。
食事に関して言わない方が良いこと
「甘さ控えめだから罪悪感無しで食べられます」
➡甘さ控えめが好みならそれだけを言えば良いでしょう。そこに「罪悪感無しで食べられる」とつけることは、暗に「もっと甘かったら罪悪感を感じるべき」と言っているのと変わりません。「この甘さは私好み」と言ってみてはどうですか?
「「日本人にはお米が一番」(米農家がこれを言うのと、管理栄養士や医師がこれを言うのとではインパクトが違います)
➡米農家をサポートすることには大賛成。でも、お米を一番、とすると、他の主食であるパンやパスタ・麺類は劣る、となってしまいます。特に人の健康のサポートをする仕事に就いている人(管理栄養士や医師など)がこれを言うと、受け取る側はお米以外の主食を選ぶことに徐々に罪悪感や劣等感を感じるようになってしまいます。また、グローバル化が進んでいる中で、「日本人にはお米が一番」と言うことは、ハーフや外国人で日本に住んでいる人達を除外することにもなります。「私はお米が一番だと思う」と、自分の意見だと伝えましょう。事実、日本人にはお米が一番だというエビデンスはありません。自分の意見をさも唯一無二のの事実として伝えてしまっていないか、見直してみませんか?
「○○食べちゃった」
➡これは世間一般的に「あまり食べたらいけない」というラベルを張られている、お菓子などについてです。「食べた」ではなく「食べちゃった」という言うことで、罪悪感が存在することになります。その時流行っているダイエットによって、○○に入る食べ物は違ってくるでしょう。糖質制限が流行っている時は炭水化物系のものをよく聞きますね。申し訳なさなんていらないんです。「食べた」で良いのではないでしょうか?
いくら何でも細かすぎるんじゃないの?
って思いますか?
でも、
摂食障害や自己否定を予防する上で細かすぎるなんてことはない。
摂食障害や自己否定に陥りやすい人は、人一倍周りの言葉や情報に敏感なのです。
もしもあなたがこの記事を読んで「細かすぎる」と感じたなら、それはあなたがその敏感性を持ち合わせていないからこそこれらのメッセージのダメージを受けずにこれた、ということです。
特に不特定多数の人がアクセス可能なソーシャルメディアや公共の場でメッセージを発信する場合は、自分が発信することが一番摂食障害や自己否定に陥りやすい人は、人一倍周りの言葉や情報に敏感なのです。
もしもあなたがこの記事を読んで「細かすぎる」と感じたなら、それはあなたがその敏感性を持ち合わせていないからこそこれらのメッセージのダメージを受けずにこれた、ということです。
特に不特定多数の人がアクセス可能なソーシャルメディアや公共の場でメッセージを発信する場合は、自分が発信する物事が受け取る側にどのような影響を与える必要があります。それも、一番弱いまたは影響を受けやすい立場にいるであろう人のことをね。
自分が発信したことには責任を持たないといけません。
だからこそ、言わない方が為になることを知っておきましょう。
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