砂糖依存症の真相

「砂糖依存症」という言葉をよく耳にします。

大抵、「私砂糖依存症なんだよねー!お菓子ばっかり食べてて止められなくて」のような会話で。

 

摂食障害の一種?

違います。

 

アルコール依存症みたいなもの?

これもまた違います。

 

砂糖依存症というのは感覚としては本当にあるものだけれど、根本的な原因があって結果「依存症みたいな感覚に陥る」状態。

 

ちょっとずつアンパックしていきましょう。

 

まずは依存症の定義から。

ある物事に依存し、それがないと身体的・精神的な平常を保てなくなる状態。アルコール依存症のような物質に対するものと、インターネット依存症のように行為に対するもの、共依存のように人間関係に対するものがある。

(日本大百科全書より)

さて、ここで質問です。

 

人間は息をしないと生きていけません。

だから空気(酸素)に絶対的に頼っているんだけれど、それを空気(酸素)依存症とは言わないよね?

 

同じように食物・水分がないと生存できないけれど、食物・水分依存症ではないよね?

 

そしたらどうして食べ物の一種である砂糖は砂糖「依存症」という呼び名になるのでしょうか?

 

ここに既にバイアス(偏見)があります。

 

砂糖依存症というものに科学的根拠は未だ何もないんです。

どういうことかというと、アルコールやニコチン依存症とは根本的に違う、ということです。

 

マウスに砂糖を与え続けた有名な動物実験がいくつかあるのは知っていますか?

マウスに砂糖を与えると、脳に大量の快楽物質(ドーパミンとオピオイドというもの)が分泌されたし、実験後は禁断症状まで確認された。

砂糖依存症を唱える医療関係者はよくこの実験をエビデンスとして持ち出してくるのですが、これがまず間違い。

人とマウスは違うっていう以前に、この実験にはもっと大事な見落としがあるからです。

それは、

 

マウスが依存症のように砂糖を摂食していたのは、ある特別な状況下でのみだったということ

 

断続的に砂糖を与えられたマウスのみ、砂糖にアクセスできる時は大量に摂取するようになった。

 

これまでの摂食問題関連の研究では既に、ドカ食いやそれに似た行動は制限・制約によって起こることが証明されています。

 

つまり、「砂糖依存症」というものは制限が根本にあるんです。

 

アルコールやニコチンは「摂る」ことで依存します。インターネット依存症だってインターネットを「使う」ことで依存します。

砂糖の依存症というものは、砂糖を「摂る」からなるのではなく、「制限」するからなるのです。

ここが他の依存症と大きく異なる点です。

 

「甘い物を止めよう、制限しよう」と頑張って、でも「誘惑に負けちゃう」。

「誘惑に負けて」食べちゃうから、罪悪感がつのる。

「次こそは食べない!」って決めてまた数日間、数週間、もしくは数か月や数年我慢するんだけど、何かの拍子で食べてその時にはドカ食いになる。

 

このサイクルの繰り返しは、最初の「止めよう、制限しよう」に問題があるということです。

 

All or Nothing

全部かゼロかっていう完璧主義的なアプローチは、食事では役に立ちません。

 

身体は色々なものを適量必要とするの。

 

それが砂糖でも何でも、ゼロにしようとすると体が反抗するのは当たり前。

(これのホルモン的な説明にも興味ある人はこちらの記事をどうぞ)

 

例えば食事カウンセリングの際に、「私砂糖依存症です」っていう人はすごく多い。

 

私はそれを本当にそうなんだと思う。

本人が感じている感覚は正に依存症そのものなんだっていうこと。

そのような感覚を本人が感じているというのは絶対的に本当だから。

 

だからこそ正しい情報と食事用の行動認知療法を活用しながらその罠から抜け出すサポートをするんです。

 

砂糖がやめられない!って思っている人は、ちょっとセルフリフレクションをしてみよう。

 

どこかでお菓子類や甘い物は悪いものだって思っていたり、絶対食べないようにしようってしていない?

 

Fumi x

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