痩せたいと思うことは悪いこと?
DDDをフォローしてくださっている方は、私がどれだけダイエット反対(そして痩せ思考社会反対)かを理解してくれているはず。
ただここで間違えてはいけないのが、世間社会的なダイエットや痩せ思考に反対=痩せたいと思っている人が悪者だと思っているわけではないということ。
痩せたい、と思うことは「悪い」ことじゃない。
もっと正確にいうと、「痩せたい」って思う自分を責める必要はないということ。
本屋さんにいけばダイエット本が所狭しと並び、テレビでは有名人が毎日「話題のダイエット」について語り、セレブが痩せれば褒められ、歌手が太れば批判され、世の中では体型・体重が人のアイデンティティーみたいになってる。
しかも、「ダンサー=痩せているものでしょ?」っていう古い誤解がそれに追加されるでしょ。
そりゃ、「痩せなきゃ」って焦るよね。
痩せないと認められないって感じてしまうもんね。
ただね、「痩せたい」っていう思いに捕らわれるのは非効率的で不為。
前に書いたように、「痩せたい」の裏にあるものっていうのは体重や体型に左右されないんです。
ダイエットで一時的に得るものはすごく儚くて、実は本当に欲しいものややりたいことから遠ざかってしまう。
逆に「痩せないとできない」って自分にブレーキかけちゃって、どうするの?
自分の時間も可能性も、もったいないでしょ。
じゃあ、ダイエットの無限ループから出たいと思ったら、何をしたらいいんだろう?
うん、それも良いかもしれない。
けどね、まず必要なのは
「自分は自分」って認めること。
今の自分を好きになるまではいかなくても、「これが私のカラダなんだ」って認めてあげること。
認めるっていうのは「どうでもいい」って思うことではなくて、「私がこのカラダを最大限ケアしてあげることで何が可能になるかな?」って、大切に育ててあげること。
認める前に食事を見直そうと思っても、「痩せたい」がにょきにょき顔を出してくるからさ、また考えがややこしくなってしまう。
認めていくプロセスでは、踊ることに目標を定めて、自分を見る力と見守る力を養っていく。
疲れていたら休む。
いっぱいレッスンしたらしっかり食べる。
不安や心配事があったら信頼できる人に話す。
レッスンで出来ないことがあったら、やみくもに練習する前に原因を探ってみる。
女性なら生理前後は特に、自分のカラダを見守ってあげる時間を多くとって。
当たり前に聞こえるようなことだけど、うまくいかない時ほどイライラがたまって食べ物で解消したり、自分を卑下することで乗り越えようとしたりすることって多い。
ダイエットを課せられると人は体重・体型に自分の存在意義を求めるようになって、ダイエットを繰り返せば繰り返すほどリバウンド量は増える。
ここ70年ほどは痩せていることが褒めたたえられてきたから、ご老人以外の人口のほとんどは誰が始めたかもわからない「痩せてる美学」の中で育ってきたんだよね。
だからダイエットに疑問を持たない人の方が多いかもしれない。
でも、ダンサーこそ知らないといけないんだよ。
ダイエットでは自分の価値もダンサーとしてのスキルも向上しない。
自分のカラダをありのまま認めるってすごく難しいよね。
周りから指摘・注目されるレッスンやステージでは特に。
でも大丈夫、出来る。
Fumi x
ペーパーを読みたい人はどうぞ:
Montani JP, Viecelli AK, Prevot A, and Dulloo AG. Weight cycling during growth and beyond as a risk factor for later cardiovascualr diseases: the 'repeated overshoot' theory. Int J Obes (Long). 2006. Dec;30 Suppl 4:S58-66
Puhl RM, Moss-Racusin CA, and Schwartz MB. Internalization of weight bias: Implications for binge eating and emotional well-being. Obesity (Silver Spring). 2007. Jan;15(1):19-23
Diaz, V.A., Mainous, A.G. & Everett, C.J. The association between weight fluctuation and mortality: Results from a population-based cohort study. J Community Health (2005) 30:153